”Get.”だけの命令文は成立するか、という話。
2019年5月26日 日常タイトルは少し前に兄とちょっとした言い合いになった話。
状況を整理すると以下のようになる。
・相手は日本語を話さない人物で少し離れたところから「コレ、あなたの物でしょうケド。要らないなら私がもらいます」という雰囲気のジェスチャーなり言外の意思表示をしている。
・兄はそれに対し「あげますよ」という意味で”Get”と返す、と語った。
兄の中ではネイティブに対して当然に(You)get (it).の命令文として認識されるハズだというのだが、僕の中ではハッキリ言って何が言いたいのか分からない意味不明な返答になっているから当然にはならないだろう、と言って揉めた。
Getは多義語なのだが共通するイメージは”近づいたり、同一化したりする”のが基本なので、それだけポンと投げられても、
I will get there.(そっちいきます)
I will get it.(欲しいです)
I get it.(分かりました)
とかいろいろ解釈の余地がある中で当然に命令文の
(You) get it.
に帰着するというのは暴論に過ぎるだろう。
というかまずもって他動詞の目的語は省略できないのでGetだけではBroken Englishになるだろうといったら、その点は兄も素直に認めた。
しかし、ネイティブなら分かってくれるはずという彼の身勝手な心象を変えることは出来なかった。
ということで私は少し論理的な反論を試みた。
まず大前提として英語という言語は意図を伝える為に構文が重視されている為、単語一つで文として成立するのは少数の許可されたものだけのはずだ。たとえば、
・単語一つで機能する構文について
・Woops!やJesus!のような間投詞。
・疑問文に対する返答で重複部分を省略した場合。
・自動詞の命令文。
とかこのへんになる。
まず兄の言う”Get”は間投詞ではないし意味内容も不適切。
疑問文の返答にしては、あちらの疑問文について主語が不明である。
「アナタこれ持っていく?(Do you ~~?の疑問文)」と「私これ貰っていい?(May I ~~?の疑問文)」のどちらの意図でジェスチャーしているか言語化されていないので、主語の省略などは普通不可能。
また”Get”の自動詞としての意味には「取得する」という意味がないので、「持っていけ」という意味にはならない。ただ自動詞としての働きはあるので、自動詞の用法として考えうる一番語数の近い命令文は
You, get! (失せろ)
というほぼ意図とは真逆の返答になる。
繰り返しになるが本来、取得するという意図を正確にしたいなら用法は他動詞であり、目的語を省略できないから代名詞のitなどは必須のはずだ。
Get it.
なら命令文として通じなくもないだろう。
最悪、Broken English で通そうとするにしても単語のチョイスが悪い気がする。
こういう場合GetではなくGiveを使うべきではないだろうか。
などという話を小一時間したのだが、結局、兄は(その予定もないだろう)ネイティブに確かめるまで当初の主張(つまり、ネイティブならこちらの意図を汲んで「持って行っていい」という意味で受け取って当然)は曲げる気がないらしかった。
いつかそういう機会が来た時には今日のことなどすっかり忘れているに違いない。
状況を整理すると以下のようになる。
・相手は日本語を話さない人物で少し離れたところから「コレ、あなたの物でしょうケド。要らないなら私がもらいます」という雰囲気のジェスチャーなり言外の意思表示をしている。
・兄はそれに対し「あげますよ」という意味で”Get”と返す、と語った。
兄の中ではネイティブに対して当然に(You)get (it).の命令文として認識されるハズだというのだが、僕の中ではハッキリ言って何が言いたいのか分からない意味不明な返答になっているから当然にはならないだろう、と言って揉めた。
Getは多義語なのだが共通するイメージは”近づいたり、同一化したりする”のが基本なので、それだけポンと投げられても、
I will get there.(そっちいきます)
I will get it.(欲しいです)
I get it.(分かりました)
とかいろいろ解釈の余地がある中で当然に命令文の
(You) get it.
に帰着するというのは暴論に過ぎるだろう。
というかまずもって他動詞の目的語は省略できないのでGetだけではBroken Englishになるだろうといったら、その点は兄も素直に認めた。
しかし、ネイティブなら分かってくれるはずという彼の身勝手な心象を変えることは出来なかった。
ということで私は少し論理的な反論を試みた。
まず大前提として英語という言語は意図を伝える為に構文が重視されている為、単語一つで文として成立するのは少数の許可されたものだけのはずだ。たとえば、
・単語一つで機能する構文について
・Woops!やJesus!のような間投詞。
・疑問文に対する返答で重複部分を省略した場合。
・自動詞の命令文。
とかこのへんになる。
まず兄の言う”Get”は間投詞ではないし意味内容も不適切。
疑問文の返答にしては、あちらの疑問文について主語が不明である。
「アナタこれ持っていく?(Do you ~~?の疑問文)」と「私これ貰っていい?(May I ~~?の疑問文)」のどちらの意図でジェスチャーしているか言語化されていないので、主語の省略などは普通不可能。
また”Get”の自動詞としての意味には「取得する」という意味がないので、「持っていけ」という意味にはならない。ただ自動詞としての働きはあるので、自動詞の用法として考えうる一番語数の近い命令文は
You, get! (失せろ)
というほぼ意図とは真逆の返答になる。
繰り返しになるが本来、取得するという意図を正確にしたいなら用法は他動詞であり、目的語を省略できないから代名詞のitなどは必須のはずだ。
Get it.
なら命令文として通じなくもないだろう。
最悪、Broken English で通そうとするにしても単語のチョイスが悪い気がする。
こういう場合GetではなくGiveを使うべきではないだろうか。
などという話を小一時間したのだが、結局、兄は(その予定もないだろう)ネイティブに確かめるまで当初の主張(つまり、ネイティブならこちらの意図を汲んで「持って行っていい」という意味で受け取って当然)は曲げる気がないらしかった。
いつかそういう機会が来た時には今日のことなどすっかり忘れているに違いない。
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