イゼットドレイクはなぜ勝てないのか。
2019年3月10日 ゲームイゼットドレイクはなぜ勝てないのか。
MOのデイリーではちらほらと5-0デッキがでてくるものの、はたして現在のメタはイゼットドレイクが活躍できる環境とは言いいがたい。
去る2月末に開催されたミシックチャンピオンシップ・クリーブランドにおいてはメタゲームブレイクダウンにおいてもとくに優秀な成績を残すことはなく、
対してLSVの駆った孤光のフェニックスを搭載したイゼットフェニックスと呼ばれるコンボ型がTop8に入ったのを尻目にテンポデッキとしてのイゼットドレイクは様々なデッキの後塵を拝する結果に終わった。
そもそもの話、デッキパワーとしてイゼットドレイクというデッキは一線級たりえるのかという疑問すら湧いてくる。
今回はその辺のところを素人ながら考察していこうと思う。
先月段階のイゼットドレイクというデッキの立ち位置を考えてみよう。
Tier1 .....スルタイ、青単
Tier1.5.....白ウィニー、エスパー、ターボネクサス
Tier2 .....赤単系、ラクドス、グルール、イゼットドレイク
というデッキ分布が想定されていて、結果として青単とネクサスが逆になっていたものの概ね予想通りの分布でもあった。
この中で、イゼットドレイクというデッキは青単と赤単に有利。スルタイに微有利。白単、エスパー、ネクサスに不利という状況だった。
つまり結論から言うと、よわい。
まず問題の一つ目はレシピがほぼ完全に明らかにされている点。テンポデッキとして速度と安定性を両立させるためにはメインの構成をいじる余地がほとんどなく、サイドプランにおいても2色デッキということもあって選択肢は極めて狭い。
二つ目はそのサイドプランについて、テンポデッキだから土地を絞る。するとサイド後に5マナや6マナのパワーカードを取ろうとするときに宝物の地図というカードが必要になって結果的に後半のトップが弱くなる。
宝物の地図はアズカンタの探索と呼ばれるカードと比較して、瞬発力で優るものの、起動のコストが重く、引いてから3ターン掛からないとポテンシャルを発揮しないというデメリットがあり端的に言うと後引きすると弱いパーツだ。
それと枠の入れ替えを果たすメインのスロットは何か。
それは発見/発散というカードだ。
ゴブリンの電術師のいないイゼットドレイクというデッキに置いて発見/発散という分割カードは2マナで、かつソーサリーの、ただただ弱い思考掃きという使い方になることが極めて多く不満の残るカードが採用されている。
じゃあ他にないのかと探せば、今度はサイドスロットとの兼ね合いで溶岩コイルや標の稲妻といったソーサリー除去をメインに取るために舞台照らしのようなパワーカードを採用しにくい点が輪をかけてメタに合わなくさせている。
更に悪いことに他のデッキが青単のフライヤー対策に取ったサイドがそのままイゼットドレイクにも刺さるという問題もある。
つまり、メタを読んで青単が多い、ということになれば緑系のデッキはこぞってフライヤー対策を行い、コントロールは除去を積む為、青単を狩る側であったはずのイゼットドレイクの立場はますます悪くなっていく。
言い換えれば、狩る目標が多い狩場で流れ弾に当たって死ぬ役がイゼットドレイクというデッキだったのだ。
公式のだしたミシックチャンピオンシップ、クリーブランドにおけるメタゲームブレイクダウンの数字にはかなりインパクトがあるので紹介しておく。
イゼットドレイクの初日使用者数30人、二日目進出人数13人。進出率43.3%。
これに対して、
イゼットフェニックスの初日使用者数7人、二日目進出人数7人。進出率100%。
勿論、献身ドラフトとスタンダードの混合フォーマットであったから進出率自体がデッキの強さにそのまま直結しているわけではないが、とはいえ7人中7人が突破という現実にはやはり目を向けなければいけない何かがあるはずだ。
ハッキリ言ってしまうとこれはサイド後の強さの違いだ。
墓地に落ちてもトリガーがボードに残らない孤光のフェニックスは再燃するフェニックスよりも対処が難しい。
溶岩コイルやヴラスカの侮辱を撃たれても自らハンドの火力を一枚撃ち込むだけで墓地に避難するので手詰まりになりにくい。再燃するフェニックスはエレメンタルトークンという弱点をボードに置いて墓地に落ちるので追加の除去で二次的に対処できてしまう。
再燃するフェニックスを相手するときのようにサイドボードにおいても溶岩コイルを4枚積んでハイ終わりとならないので的を絞りづらいのだ。
普通の除去では単にアドバンテージを失うだけになる。かといって殴り合いで場を制そうとするとパワー3のフライングブロッカーとして存在感を発揮する為、安易にダメージレースをさせない。横をすり抜けるにも相応の準備が必要となる
これらの理由から中途半端な対応では却って痛手を負う結果になる為、サイド後の戦いも粘り強く戦えるのがイゼットフェニックスの特徴であった。
勿論、イゼットフェニックス自体には肉儀場の叫びという痛烈なメタカードが存在しているものの黒のダブルシンボルはメタ上のいずれのデッキにおいてもおいそれと採用できるカードではなかった。
唯一、手軽に採用できそうなエスパーというデッキでさえ、実のところ吸収という青青白のカウンターと同居させる必要が出てくるため色拘束のきつさは想像を軽く超えてくる。
残る手段は献身で追加されたPWのケイヤであり、これも盤面への働き方が極めて限定的であることが幸いしサイドボードに一枚程度しか見られないカードであった。
こうして目立った天敵の居ないイゼットフェニックスがイゼットドレイクよりもメタ的に優位を取っているというのが今環境の理解と言えるのではないだろうか。
MOのデイリーではちらほらと5-0デッキがでてくるものの、はたして現在のメタはイゼットドレイクが活躍できる環境とは言いいがたい。
去る2月末に開催されたミシックチャンピオンシップ・クリーブランドにおいてはメタゲームブレイクダウンにおいてもとくに優秀な成績を残すことはなく、
対してLSVの駆った孤光のフェニックスを搭載したイゼットフェニックスと呼ばれるコンボ型がTop8に入ったのを尻目にテンポデッキとしてのイゼットドレイクは様々なデッキの後塵を拝する結果に終わった。
そもそもの話、デッキパワーとしてイゼットドレイクというデッキは一線級たりえるのかという疑問すら湧いてくる。
今回はその辺のところを素人ながら考察していこうと思う。
先月段階のイゼットドレイクというデッキの立ち位置を考えてみよう。
Tier1 .....スルタイ、青単
Tier1.5.....白ウィニー、エスパー、ターボネクサス
Tier2 .....赤単系、ラクドス、グルール、イゼットドレイク
というデッキ分布が想定されていて、結果として青単とネクサスが逆になっていたものの概ね予想通りの分布でもあった。
この中で、イゼットドレイクというデッキは青単と赤単に有利。スルタイに微有利。白単、エスパー、ネクサスに不利という状況だった。
つまり結論から言うと、よわい。
まず問題の一つ目はレシピがほぼ完全に明らかにされている点。テンポデッキとして速度と安定性を両立させるためにはメインの構成をいじる余地がほとんどなく、サイドプランにおいても2色デッキということもあって選択肢は極めて狭い。
二つ目はそのサイドプランについて、テンポデッキだから土地を絞る。するとサイド後に5マナや6マナのパワーカードを取ろうとするときに宝物の地図というカードが必要になって結果的に後半のトップが弱くなる。
宝物の地図はアズカンタの探索と呼ばれるカードと比較して、瞬発力で優るものの、起動のコストが重く、引いてから3ターン掛からないとポテンシャルを発揮しないというデメリットがあり端的に言うと後引きすると弱いパーツだ。
それと枠の入れ替えを果たすメインのスロットは何か。
それは発見/発散というカードだ。
ゴブリンの電術師のいないイゼットドレイクというデッキに置いて発見/発散という分割カードは2マナで、かつソーサリーの、ただただ弱い思考掃きという使い方になることが極めて多く不満の残るカードが採用されている。
じゃあ他にないのかと探せば、今度はサイドスロットとの兼ね合いで溶岩コイルや標の稲妻といったソーサリー除去をメインに取るために舞台照らしのようなパワーカードを採用しにくい点が輪をかけてメタに合わなくさせている。
更に悪いことに他のデッキが青単のフライヤー対策に取ったサイドがそのままイゼットドレイクにも刺さるという問題もある。
つまり、メタを読んで青単が多い、ということになれば緑系のデッキはこぞってフライヤー対策を行い、コントロールは除去を積む為、青単を狩る側であったはずのイゼットドレイクの立場はますます悪くなっていく。
言い換えれば、狩る目標が多い狩場で流れ弾に当たって死ぬ役がイゼットドレイクというデッキだったのだ。
公式のだしたミシックチャンピオンシップ、クリーブランドにおけるメタゲームブレイクダウンの数字にはかなりインパクトがあるので紹介しておく。
イゼットドレイクの初日使用者数30人、二日目進出人数13人。進出率43.3%。
これに対して、
イゼットフェニックスの初日使用者数7人、二日目進出人数7人。進出率100%。
勿論、献身ドラフトとスタンダードの混合フォーマットであったから進出率自体がデッキの強さにそのまま直結しているわけではないが、とはいえ7人中7人が突破という現実にはやはり目を向けなければいけない何かがあるはずだ。
ハッキリ言ってしまうとこれはサイド後の強さの違いだ。
墓地に落ちてもトリガーがボードに残らない孤光のフェニックスは再燃するフェニックスよりも対処が難しい。
溶岩コイルやヴラスカの侮辱を撃たれても自らハンドの火力を一枚撃ち込むだけで墓地に避難するので手詰まりになりにくい。再燃するフェニックスはエレメンタルトークンという弱点をボードに置いて墓地に落ちるので追加の除去で二次的に対処できてしまう。
再燃するフェニックスを相手するときのようにサイドボードにおいても溶岩コイルを4枚積んでハイ終わりとならないので的を絞りづらいのだ。
普通の除去では単にアドバンテージを失うだけになる。かといって殴り合いで場を制そうとするとパワー3のフライングブロッカーとして存在感を発揮する為、安易にダメージレースをさせない。横をすり抜けるにも相応の準備が必要となる
これらの理由から中途半端な対応では却って痛手を負う結果になる為、サイド後の戦いも粘り強く戦えるのがイゼットフェニックスの特徴であった。
勿論、イゼットフェニックス自体には肉儀場の叫びという痛烈なメタカードが存在しているものの黒のダブルシンボルはメタ上のいずれのデッキにおいてもおいそれと採用できるカードではなかった。
唯一、手軽に採用できそうなエスパーというデッキでさえ、実のところ吸収という青青白のカウンターと同居させる必要が出てくるため色拘束のきつさは想像を軽く超えてくる。
残る手段は献身で追加されたPWのケイヤであり、これも盤面への働き方が極めて限定的であることが幸いしサイドボードに一枚程度しか見られないカードであった。
こうして目立った天敵の居ないイゼットフェニックスがイゼットドレイクよりもメタ的に優位を取っているというのが今環境の理解と言えるのではないだろうか。
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