時季外れな話題だなと我ながら思うがワインの品評についての話ではないので。ご了承いただきたい。

いつからワインを飲み始めたか記憶に定かではないが、若いころはワインを美味しいと思ったことはなかった。
私はもともとアルコールに弱い体質であるらしくパッチテストではすぐに皮膚が赤くなるので検査員のお姉さんに「あんまり呑まない方がいいかも知れませんね」なんて言われたりもした。
それがどういうわけか知的好奇心からバーでバイトを始め色々な酒の味を覚え、カクテルリキュールなどを買いあさったりもした。今思えば完全に若気の至り、汗顔の至りである。
だがそれもまるきり無駄というわけでもなく、ウイスキー、ことにスコッチウイスキーについてはマッカランをはじめリベット、フィディック、モーレンジ、アイラも飲みボウモア、ラフロイグ、ラガヴーリン、カリラ、ブナハーブンetcと味を覚えるまで随分と飲ませて貰ったため今でも好んで飲んでいる。
ではワインの味もそのころ憶えたのかと言えば全然そんなことはなく、これはバーでの仕事を辞めてずいぶん経った後である。
そもそもの話が、ワインの味を語る前に経験値が足りなかった。
安いワインを三本程空けて前後不覚となったこともあるが、それでワインを語れるわけもなく未だ修行中の身である。
とはいえ、美味しいブドウのジュースをわざわざ酒にして美味しく飲めなくさせるのか、なんて酒を飲まぬ人にしてみれば誰でも思いつく不平を心に抱いたりもしたが、経年の影響だろうか味覚が中年に近づいていくにつれワインもこういう飲み物だという形で体が受け入れるようになってきた。
一昨晩に開けたワインはボジョレーの2016。ジョセフ・ドルーアン社のボジョレーである。
調べたところボジョレーヌーボーはフランス、ブルゴーニュのボジョレー地方において作られる新酒のことでブルゴーニュという地域のその年のワインの雰囲気を大まかに感じられる為に好んで飲まれるというらしい。
更に私が飲んだジョセフ・ドルーアン社は大手のメゾン(醸造元)らしく品質は折り紙つきというものだった。その年のというくらいだから二年前の2016を今更飲むのはどうなんだというの話もあるかもしれないがそこは素人ご容赦いただきたい。
さて、このワイン。いくら飲めるといってもウイスキー、日本酒、ブランデー、ビール、ワインに焼酎と並べて何を飲むと聞かれればおそらくこの順で飲んでいくだろうくらいにワインは敬遠しがちな酒なのだが、開けて一口目から随分と美味しく飲めた。ワインといって身構えていた私が拍子抜けするほどあっさりとした飲み口に渋さ甘さが程よく調和しているボトルで気付けば2時間ほどですっかり飲んでしまった。冷蔵庫からカマンベールも出してきてすっかり出来上がって鼻歌なんか歌ってしまってふと気づけば歳をとったなぁなんて思う今日この頃。

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