色の話

2018年7月26日
色の話
色の話
 最近になって色の勘違いを正す機会があった。

 瑠璃色という色だ。

 合わせて色見本の画像を上げていたので参照していただきたい。

 ネットで調べてみると(RGB:0/72/152)とあった。

 早速、フォトショでこの色を合成しては見たけれどなんというか、いささか名状しがたい色合いである。

 日本の伝統色はこういうビビッドカラーでない彩度を落とした色合いが多くある。染色という点ではこの辺りが自然色とよくなじむという美意識なのかもしれないが、果たして当時の人の心境は計れない。

 閑話休題。

 それで私がどういう勘違いをしていたかというと、わたしは画像二枚目の赤色で囲まれたような明け方の微妙なグラデーションを指す便利な言葉だと思っていたのだ。

 なんでそんな妙な勘違いをしていたかというとこれはもう幼少の時から教育として何べんとなく聞かされて、歌わされてきた『瑠璃色の地球』という歌謡の影響だろう。

 調べてみると歌ったのは松田聖子。1986年の曲である。なんと私の生まれる前ではないか。それでその歌詞にはまだ暗い時間から灯台近くの海を臨む場所で日の出を見ているとだんだんと空の色が明るく、瑠璃色に変わっていくという情景が描かれている。

 この瑠璃色というのは画像一枚目の彩度の低い青というか水色のことを言うんだけど、僕の思い浮かべる日の出の神秘性は何となく画像二枚目のような紫の混じったグラデーションにイメージを膨らませてしまっていたのだ。(実際は黄色の部分だった)

 それでそのまま二十年以上そんな勘違いを引きずってきたわけだけど、僕の思う夜明けのイメージはまんま紫の夜明けという表現が用いられるのが一般らしく、それもそのまま歌になっている。歌ったのは美空ひばりでリリースは1968年1月8日。もはや生まれるとかそういう段階ですらない。僕の存在の片鱗すらこの世界にはなかった時代の曲で、じゃあこれが瑠璃色の地球みたいなスローバラードなのかというと、そこはやはり美空ひばり。
 ビッグバンドを背負ったリズム歌謡で、彼女一流の情熱の込もった歌い方から似ても似つかない曲である。

 そんなこんなで僕の勘違いは正されたけれど、夜明けの情景に紫とか赤が混じるとどうしても熱のこもった表現に近づいていくんだろうか、なんて頭を捻った一日だった。

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